われわれ日本人の主食は米であり、その米から日常生活や祭りごとに欠かすことの出来ない日本酒が造られてきました。米は日本酒の酒質に大きな影響を与え、酒質の善し悪しは、原料の品質によって決まるといっても過言では有りません。 茨城県は全国屈指の米生産県でありながら、酒造好適米の生産がほとんど行われておらず、茨城県独自の酒造好適米もありませんでした。

 地方の時代といわれて久しくなりますが、地方の酒蔵の集まりである茨城県酒造組合では、地域に根ざした酒造りこそが我々の使命と考え、地方の文化と食文化の一端を担うという自負心を持ち、茨城県独自の酒造好適米の必要性を考え、10数年前に県当局に開発を依頼致しました。


  以来、茨城県農業総合センター(生物工学研究所・農業研究所)が研究育成し、平成10年度から茨城県工業技術センター・茨城県酒造組合も試験醸造に協力し、醸造適性の確認を行っており、平成12年度に「ひたち錦」として種苗登録出願がなされ、茨城県初の酒造好適米が誕生いたしました。その後、平成13年4月に茨城県奨励品種に認定され、茨城県内13ヶ所で適地試験栽培を行い、平成14年度から本県酒造好適米の主力品種として本格的な普及を図ることとなり、JA茨城中央・(笠間市)、JA茨城みどり(御前山村)、JAつくば市筑波(つくば市)JA北つくば(下館市・結城市・明野町・大和村)で栽培を行っています。茨城県初の酒造好適米という事も有り、茨城県・全農茨城県本部が中心となり、講習会等を頻繁に行い高品質米の生産に努力しております。 一般的な米の主成分は、多いものから炭水化物・蛋白質・脂質・灰分・ビタミンであり 特別な検査基準をクリアし、酒造りに適した米を「酒造好適米」と呼びます、条件としては「大粒(千粒重:玄米1、000粒の重さが25〜30gであり、通常の米は20〜22g)」であること、中央に白色不透明な部分「心白」の発現率が高く大きさが適当である事、蛋白質・脂質が少なく(粗蛋白含有量が玄米で6%程度)、給水率が良い事等が挙げられます。尚、ひたち錦の千粒重は平均26g、晩生の早、醸造適性は堅めの米の為、『切れのあるすっきりタイプ』の清酒の製造に適します。

 このように酒造好適米は、通常の主食米とは全く異質ともいえる米であって、主食用には適さない米です。


55%に精米された「ひたち錦」
たわわに実る「ひたち錦」の圃場